今日本では急速な高齢化と同時に多死社会という問題が深刻化しています。高齢者の医療ニーズの増加が医療費の高騰の一因になっています。しかしそれに対応すべき医療機関や介護福祉施設数が不足しており、今後その受け皿として在宅医療が期待されています。実際、在宅療養を希望される患者さんは多くおられます。国や県では、医療、介護、福祉が連携を取りながら地域包括ケアシステムの中で地域住民の健康維持を図ろうとしています。その中で在宅医療は特に重要な役割を担っています。いくつかの課題はあるものの、それぞれの地域や家庭の実情に沿った在宅支援が必要とされています。
在宅医療の魅力は、入院・外来診療とは異なり全人的なサポートが時間をかけてできることです。平成25年4月に当センターが開設され、現在訪問看護ステーションと合わせて医師3名、看護師7名で活動しています。訪問診療の患者さんは約70人、訪問看護の患者さんは約45人です。必要な医療や看護を提供することで安心して在宅療養を送っていただけるように努めています。血液検査はもちろん、簡易超音波検査、心電図検査など積極的に行っています。また、他職種との連携(顔の見える関係つくり)をはかるために、カンファレンスや、検討会、研修会などに参加し情報交換を行っています。