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熊本県へき地医療自治体病院開設者協議会
会長 鶴 田 正已
熊本県内の地域においては、過疎化が進んでいるとはいえ、まだまだ多くの住民が住んでおり、その住民の医療を地域の中核病院が担っています。自治体も病院を始めとする関係機関と連携しながら、地域の医療・福祉の充実に努めています。
しかし、現在地域においては、医師不足が切実な問題となっております。これは私たちの地域だけではなく、どの地域も同じ問題を共有しています。地域の中核を担っている病院の医師がいなくなると、救急患者の受入や一般外来、保健活動の休止に追い込まれるなど、住民はこれまで受けてきた地域医療サービスを受けることができなくなります。こうして住民が安心して医療を受けることができなければ、子育てや介護ができないだけでなく、地域に住むことすらできなくなります。そうなると、住民は医療体制の整った都市部へ流れてしまうことが予測されます。
この医師確保の問題については、地域中核病院の病院長へお願いをすることが多く、病院長を始め関係者のご尽力で打つべき手を打っていただいているところです。しかし、医師確保は私たち自治体に関係する大きな問題であり、私たち自治体開設者も積極的に取り組んでいかなければなりません。
そこで、今回同じような問題を共有する自治体開設者による協議会、「熊本県へき地医療自治体病院開設者協議会」を設立させていただきました。この協議会には、熊本大学医学部附属病院の黒田先生や熊本赤十字病院の一二三先生、熊本県へき地医療支援機構の中本先生を始めとする関係者の皆様にご支援をいただきながら、準備期間を経て平成25年4月1日に実働いたしました。
熊本県はこれまで自治医科大学を卒業し、義務年限の9年間を経過した後に医師が在籍する制度がありませんでしたが、この度自治医科大学第一期生の春口先生を会長とした医師部会「熊本県へき地医療医師の会」が立ち上がりました。私たち開設者はこの医師部会を制度面・財政面でしっかりと支援し、医師が働きやすい環境を整えていく所存です。
私たちは医師が熊本県にしっかりと根を下ろしていただきながら、へき地医療・地域医療に貢献していただけるように、精一杯ご支援をしていきたいと考えています。
ぜひ熊本県のへき地医療・地域医療につきまして、ご支援ご協力いただきますようお願い申し上げます。
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