病院について

病院指標

令和6年度 球磨郡公立多良木病院指標

令和6年度 球磨郡公立多良木病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 167 51 16 35 41 89 209 441 642 444
2024年度に当院を退院された患者様の人数を10歳刻みで年齢階級別に集計したものです。DPCデータにおいて、2024年6月から2025年5月までの期間に退院した患者数は2135名です。60歳以上に占める割合が全体の81.3%、80歳以上が50.9%あり、高齢の患者様が多くを占めています。40歳代以下は14.5%で10歳未満は7.8%でした。

尚、この数には当院の地域包括ケア病棟や緩和ケア病棟のみに入院された数、DPC対象外である自費(交通事故労災など)、24時間以内に死亡された数は含まれておりません。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 92 35.30 20.78 14.13% 88.66
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)手術なし 処置2なし 60 23.32 16.40 5.00% 88.57
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 59 24.49 13.66 0.00% 83.25
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 他の病院・診療所からの転院以外 39 29.74 17.33 5.13% 87.90
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 処置2-2あり 定義副傷病なし 28 52.36 16.94 17.86% 83.89
内科では、総合診療科として広範囲の診療に携わっています。また、循環器・呼吸器系も含めたリハビリテーションにも力を入れ、 地域包括ケアシステムを念頭に訪問診療等も行っております。
誤嚥性肺炎・細菌性肺炎・心不全など高齢患者さんが多く、在院日数も長くなっております。
誤嚥とは、食べ物や唾液などが気管に入ってしまうことをいい、その食べ物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで肺炎を引き起こしてしまいます。
当院では言語聴覚療法士による評価と嚥下機能訓練も併せて行っています。

循環器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 他の病院・診療所からの転院以外 65 22.26 17.33 6.15% 88.06
050130xx9901xx 心不全 手術なし 処置1なし 処置2-1あり
050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし
050130xx97000x 心不全 その他の手術あり 処置等1_なし、1あり 処置2なし 定義副傷病なし
050210xx9900xx 頻脈性不整脈 手術なし 処置1なし 処置2なし
循環器科では、心不全をはじめ、狭心症や心筋梗塞後などの虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈、大血管疾患、末梢動脈疾患といった心血管疾患の患者さんを診療しています。心不全は増加しており、循環器科の入院の1位となっています。
重症心不全症例にはドブタミンサポートを用いた管理や呼吸困難症例には非侵襲的陽圧換気も行っており、入院中より心臓リハビリテーションを行うことでADL低下の予防、生活の質の改善に努めております。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 24 5.42 4.54 0.00% 72.25
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし  21 6.52 7.05 0.00% 61.81
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 13 10.15 7.60 0.00% 68.38
060150xx03xxxx 虫垂炎虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 12 5.50 5.32 0.00% 47.17
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし 処置2なし 10 35.80 7.91 0.00% 80.40
外科では、胃・十二指腸・肝・胆・膵・結腸などの消化器系疾患を中心に外科全般にわたり診療しています。高齢の方の入院が多いですが、平均在院日数は全国平均と比べても大きくは変わらないようです。2023年10月より緩和ケア病棟を閉鎖しましたので、外科一般病棟で緩和ケアを行っています。

消化器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 166 2.03 2.57 0.00% 71.66
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石,胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし 31 10.61 8.88 0.00% 81.77
060060xx9710xx 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 処置1あり 処置2なし 24 10.13 11.90 0.00% 82.38
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) 12 7.17 10.93 0.00% 73.50
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石,胆管炎 手術なし 処置2なし 10 14.50 9.45 10.00% 73.00
消化器科では、大腸ポリープや胆管結石などの入院が多く、内視鏡による手術を積極的に実施しています。概ね平均的な入院日数となっております。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 他院からの転院以外 34 51.94 13.56 5.88% 88.91
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 26 33.04 25.29 3.85% 85.15
070230xx99xxxx 膝関節症(変形性を含む) 手術なし 20 51.40 11.98 0.00% 78.90
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 20 8.90 5.95 0.00% 68.75
160760xx02xxxx 前腕の骨折 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿等
整形外科では、高齢者にみられる転倒や骨粗鬆症からの骨折が多く、また外傷性疾患や変形性膝関節症による手術など、整形外科全般の診療を行っております。手術からリハビリテーションまで実施し退院となる患者さんも多い為入院日数は長くなっています。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎,急性細気管支炎,下気道感染症(その他) 46 4.30 6.22 0.00% 2.43
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満)手術なし 処置2なし 41 4.80 5.61 0.00% 6.05
100380xxxxxxxx 体液量減少症 24 2.67 10.26 0.00% 4.88
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし 20 2.90 5.55 0.00% 4.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし
小児科は、全体的に全国の在院日数より短い入院となっております。自宅での観察を十分に行ってもらうことで入院による家族の負担軽減にもなっています。平均年齢が低いため、休日夜間等での緊急入院も多くみられます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患 手術なし
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 処置2なし
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1・2なし 他の病院・診療所からの転院以外
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 処置2_3あり
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等
泌尿器科は2025年4月より常勤医がこられました。当院は人工透析もおこなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼
眼科では、入院の多くは白内障手術を目的としたものです。令和6年も地域包括ケア病棟へ入院のうえ手術を行っておりましたので、今回の数値上対象となっておりませんが、合わせて110件の白内障患者様の入院・手術等を行っております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 8
大腸癌 23 15 1 8
乳癌 10 1 8
肺癌 1 8
肝癌 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
現在、日本で最も罹患率が高い上記の5つのがん(胃、大腸、乳、肺、肝)の初発の病気分類(ステージ)と再発の症例数を集計したものです。
初発のステージ(Stage)はStageⅠからⅣへ大きくなるにつれ、がんの進行を示しています。
「初発」とは当院において腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合、「再発」とは当院・他施設問わず初回治療が完了した後、当院にて診療した場合や、がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合です。
5大癌の中で最も多いのが大腸、次いで胃、乳でした。
このデータは、DPCデータを集計したものであり、当院の地域包括ケア病棟や緩和ケア病棟のみに入院された数は含まれていない為、実数より少なく表示されています。
現在緩和ケア病棟は2023年9月で閉鎖し、一般病棟で緩和ケアを行っております。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 37 14.51 81.27
重症 27 25.48 87.78
超重症 24 31.33 88.92
不明
市中肺炎とは、日常生活の中でかかる肺炎のことです。
DPCデータの入院契機病名および医療資源を最も投入した傷病名が、肺炎レンサ球菌やインフルエンザ菌
その他細菌性による肺炎等に該当するものとなります。誤嚥性肺炎は除きます。
重症度分類は、A-DROPスコアにより計上しています。これは、日本で使われている市中肺炎の重症度を
判定するものです。次の5項目のうち1項目に該当すれば1点、2項目で2点というように計算し点数をつけます。
5点満点です。
A(Age=年齢):男性70歳以上・女性75歳以上
D(Dehydration=脱水):BUN21mg/dL以上または脱水あり
R(Respiration=呼吸):SpO2 90%以下またはPaO2 60Torr以下
O(Orientation=見当識):意識障害あり
P(Pressure=血圧):収縮期血圧90mmHg以下
軽症0点、中等症1~2点、重症3点(意識障害(ショック)であれば1点でも重症)、超重症4~5点。
年齢により重症度が重くなっています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 36 38.69 79.19 13.11
その他 25 59.52 85.96 9.84
高齢の方の入院が多いため、脳梗塞は、肺炎、心不全、骨折等とともに入院の契機となる疾患の1つです。
当院では、入院直後からリハビリテーションを開始し、完了してから退院されることが多いため、入院期間は
長くなっております。必要に応じ転院も行います。脳梗塞の発症が3日以内での入院の場合、入院期間も
短くなっています。後遺症等ありますので早めの受診が必要です。当院は、急性期治療後のリハビリテーシ
ョン目的での転院を受け入れておりますので3日以降の患者さまも多くいらっしゃいます。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 12 46.58 37.50 25.00% 83.00
K654 内視鏡的消化管止血術
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法
K722 小腸結腸内視鏡的止血術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
内科では、総合診療科として広範囲の診療に関わっています。内科入院であっても他診療科とも連携をとり必要な手術を行っています。

循環器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)
循環器科では他診療科とも連携し診療をしています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 23 0.96 4.52 0.00% 61.52
K6335 鼠径ヘルニア手術 14 1.00 2.93 0.00% 73.57
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 12 0.42 4.08 0.00% 47.17
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 10 1.00 4.10 0.00% 70.40
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術
胃・十二指腸・肝・胆・膵・結腸などの消化器系疾患を中心に外科全般にわたり診療しています。
予定手術に加えて、緊急性が高い場合に関しては夜間・休日等でも緊急手術を行っています。
開腹手術や腹腔鏡下手術、内視鏡手術等を行っています。

消化器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 157 0.00 1.00 0.00% 71.83
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 42 1.86 9.60 0.00% 82.02
K654 内視鏡的消化管止血術 11 0.00 13.82 0.00% 77.64
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ)
K6871 内視鏡的乳頭拡張術
大腸ポリープや胆管結石などの入院が多く、内視鏡による手術を積極的に実施しています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 37 3.32 44.14 2.70% 89.81
K0821 人工関節置換術(膝) 23 5.09 41.96 0.00% 78.09
K0462 骨折観血的手術(前腕) 21 0.29 10.43 0.00% 70.14
K0811 人工骨頭挿入術(股) 17 2.53 39.47 0.00% 79.76
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕)
高齢者にみられる転倒や骨粗鬆症からの骨折が多く、また外傷性疾患や変形性膝関節症による手術など
整形外科全般の診療を行っています。緊急性が高い場合に関しては夜間・休日等でも緊急手術を行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K8281 包茎手術(背面切開術)
当院では人工透析をしているため、シャント閉塞時の経皮的シャント拡張術・血栓除去術も行っています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他)
入院の多くは白内障手術目的としたものです。手術は予定入院で行い、入院日に手術施行し術後2日で退院となります。
令和6年も地域包括ケア病棟へ入院の上手術を行っておりましたので、今回の数値上対象とはなっておりませんが、合わせて110件の患者様の入院・手術を行っています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0.00
異なる 0.00
180010 敗血症 同一 0.45
異なる 0.17
180035 その他の真菌感染症 同一 0.06
異なる 16 0.90
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 44.44
異なる 15 55.55
「医療資源を最も投入した傷病名」と「入院の契機となった傷病名」が対応するコードに該当した場合を「同一」、そうでない場合(入院後に発症)を「異なる」としています。「発生率」は各症例数の全退院患者数に対する割合です。
手術や処置、検査等を行う際には細心の注意を払って診療を行っています。起こりうる合併症については、事前に本人・家族の方々に説明をした上で同意を得て実施しています。
播種性血管内凝固症候群は、様々な重症の基礎疾患のために過剰な血液凝固反応活性化が生ずるため生体内の抗血栓性の制御能が十分でなくなり、全身の微小血管内で微小血栓が多発して臓器不全、出血傾向がみられる重症疾患です。
敗血症は、体のある部分で感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身症状を引き起こす全身の感染症です。一定の割合で起こりえるもので、手術や処置等の際のミスで起きた疾患とは別のものとなります。
令和6年の期間も透析患者さんのシャントの合併症が多くなっています。
カテーテルを挿入されていらっしゃる患者さまの尿路感染症発症や、過去に挿入した人工関節のトラブル、適正に投与されたお薬の過剰反応などもありました。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
161 153 95.03%
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部にできた血栓(深部静脈血栓)が剥がれて血流によって運ばれ、肺動脈を閉塞させてしまう疾患です。近年、深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の危険因子が明らかになっており、危険レベルに応じた予防対策を行うことが推奨されています。予防方法には、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し空気による圧迫)の使用、抗凝固療法があります。

血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
499 449 89.98%
血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セットで行うことが診療ガイドラインにより推奨されています。このことから、血液培養2セット実施率は診療プロセスが各種ガイドラインに則り、適切に構築・実施されているかを表す指標とされています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
247 185 74.90%
複数の菌種に効果がある抗菌薬(広域抗菌薬)を使用し続けると、菌が耐性を獲得してしまう場合があるため、血液培養検査によって患者さんが感染している菌種を同定して、菌種に対応した効果的な薬剤を使用することで耐性菌の発生を抑制できます。
この指標は、広域抗菌薬を投与開始前に血液培養検査を実施した患者さんの割合を示しています。

転倒・転落発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
47938 135 0.282%
要介護、または寝たきりになる主な原因に転倒転落・骨折があります。高齢に伴い、骨粗鬆症・認知症が増加したことが要因のひとつです。入院中に転倒転落が発生した場合、入院期間の長期化や医療費の増大にもつながります。当院のように高齢の患者さまの入院割合が多い場合、入院による療養生活は環境の変化によ様々なことが要因となり転倒転落のリスクが高まります。当院では、入院時にアセスメントシートを用いてリスクがあると判断された患者さまに対して、転倒転落防止のために様々な離床センサーを設置するなど積極的に予防的策を講じて最小限にするよう取り組んでいます。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
47938 8 0.017%
入院中の患者さまの転棟やベッドからの転落は少なくありません。原因としては入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。インシデント影響度分類レベル3b以上とは、損傷レベルが高いもので手術や大きな処置が必要となるものを指します。
予防対策が効果的に行われているかの指標となります。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
182 165 90.66%
手術後に手術部位感染が発生すると、入院期間が延長し医療費も増加します。手術部位感染を予防する対策の一つとして、手術前後の抗菌薬投与があり、手術開始から終了後2~3時間まで、血中および組織中の抗菌薬濃度を保つことで、感染を予防できる可能性が高くなります。このため手術執刀開始1時間以内に適切な抗菌薬を静注することで手術部位感染を予防し入院期間の延長や医療費の増加を抑えることができると考えられています。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
45093 62 0.138%
褥瘡発生率は、看護ケアの質評価の重要な指標となっています。褥瘡は患者さまの生活の質の低下の原因とともに、感染を引き起こすなど治療が長期化することもあります。そのため、発生させないために褥瘡予防対策を行っています。
この指標は、入院中に新規で「真皮までの損傷」以上の褥瘡が発生した割合です。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
1557 1557 100%
当院では、入院されたすべての患者さまの栄養ケアアセスメントを実施しています。早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで在院日数の短縮、予後の改善につながります。

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退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
37907 5867 15.48%
身体にチューブやドレーンなどが挿入されている状態の患者さまは、せん妄などの状態により自己抜去の危険性や転倒転落の危険性があります。その場合、患者さまの生命の危険・外傷や骨折の危険性が増し、さらなる処置が必要となる可能性があります。そのような事態を未然に防げるように行動制限を行う場合があります。やむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えたり、解除できるよう努めています。
更新履歴
2025.9.19
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