小児科
研修受け入れ科
小児科
研修プログラムの概要・特徴
概要
1ないし2ヶ月間の研修期間中に小児科外来診療及び入院診療・地域保健を実践する。
当科は日本小児科学会小児科専門医制度の関連施設であり、新生児から中学生までの疾患を幅広く扱っている。外来診療時間は月曜日から金曜日までの午前8時30分~11時と午後1時~4時までであり、火・水・木曜日の午後は健診・予防接種・慢性疾患などの特殊外来を行ったり、地域の乳幼児健診に出かけることがある。
時間外診療に関しては、日曜祝日の9時~17時は、人吉・球磨地域の小児科医輪番制にて対応している。その他の時間帯には、救急外来にて小児科医以外の医師が担当し、初期診療を行うシステムになっており、重症者に対してのみ小児科医が呼び出されての対応となる。
特徴
当科では子供の健康に関する便利屋を目指して、患者さんから気軽に相談いただける雰囲気作りを心掛けている。
小児科の常勤医は1名であるが、子供がかかる病気の殆どを診療でき、特に感染症とアレルギー疾患を得意としている。感染症に関しては、できるだけ抗菌薬を使用しない治療を心掛けており、中耳炎に対する鼓膜切開排膿もその一環として行っている。平成20年3月31日現在の鼓膜切開経験数は、2500例を超えている。喘息やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の患者の治療には豊富な経験があり、小児喘息の外来患者数は熊本県内でトップクラスである。
また、ドップラー心エコー装置を外来診療室と小児科病棟に設置し、川崎病での冠動脈病変観察・1ヶ月健診・心雑音患者・腎疾患患者などで使用している。
入院診療は喘息、肺炎・気管支炎、胃腸炎・脱水症、けいれんの治療が主になる。川崎病や腸重積症、ネフローゼ症候群、髄膜炎などの特殊な疾患も扱っているが、未熟児や複雑心奇形、悪性腫瘍などに関しては、スタッフが充実している熊本大学病院をはじめとした3次医療施設へ紹介している。
検査・治療機器
ドップラー心エコー装置小児科外来と小児病棟に1台ずつ計2台、血管確保用赤色LED装置2台、輸液監視装置3台、肺機能検査装置1台、喘息用間欠的加圧呼吸器1台、ネブライザー吸入器4台。
小児科スタッフ
副企業長兼診療部長兼小児科部長:師井 敏裕
所属学会
日本小児科学会代議員・日本小児アレルギー学会会員・日本小児感染症学会会員
専門医・資格
小児科専門医、インフェクションコントロールドクター(ICD)
研修の目標
一般目標
小児およびその保護者との意思疎通をはかり、成長発育過程にある小児の生理的変動が観察でき、小児・乳幼児・新生児の診察法を修得できるようにする。また、小児の急性および慢性疾患の病態と特性を知り、疾病に応じた小児に特異的な検査と治療が施行できるようにする。
行動目標
- 患者-医師関係
- 小児(特に乳幼児)とコミュニケーションがとれるようになる。
- 保護者から診断に必要な情報を的確に聴取することができる。
- 病児および保護者が納得できる医療を行うために、相互の了解を得、話し合いができる。
- 守秘義務を果たし、病児のプライバシーへの配慮ができる。
- チーム医療
- 指導医や専門医・他医に適切なコンサルテーションができる。
- 同僚医師・後輩医師への教育的配慮ができる。
- 入院病児に対して他職種の職員とともに、チーム医療として病児に対処できる。
- 問題対応能力
- 指導医とともに保護者に適切に病状を説明し、療養の指導ができる。
- 小児診療における自己評価および第3者による評価をふまえた問題対応能力を身につける。
- 安全管理
- 現場での小児医療の安全を理解し、安全管理の方策を身につけ、医療事故対策に取り組む。
- 医療事故防止および事故発生後の対処について、マニュアルに沿って適切な行動ができる。
- 小児病棟特有の院内感染対策を理解し、その対策について理解した対応ができる。
- 病例呈示
- 小児疾患の症例呈示と討論ができる。
- 小児臨床症例に関するカンファレンスに参加する。
- 医療の社会性
- 病児の疾患の全体像を把握し、医療・保険・福祉への配慮ができる。
- 小児科領域の医の倫理や生命倫理について、保護者と話し合いながら適切に行動できる。
研修の方略(スケジュール等)
午前 | 午後 | |
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月 | 小児科病棟、外来 | 外来、小児科病棟、入退院症例検討会 |
火 | 小児科病棟、外来 | 外来、小児科病棟、健診 |
水 | 小児科病棟、外来 | 外来、小児科病棟、健診、臨床抄読会 |
木 | 小児科病棟、外来 | 外来、小児科病棟、健診 |
金 | 小児科病棟、外来 | 外来、小児科病棟 |
※救急患者来院の時は、指導医とともに対応する。
※外来実習では小児の疾病全てが対象となり得るが、特に感染症・アレルギー疾患・発達障害・内分泌患者の診療・処置・検査を行い、乳幼児健診や予防接種なども行う。
※病棟実習では小児入院患者の診療・検査・処置を行う。
小児科での研修の評価
研修医記録(EPOC)と実技によって達成度を確認する。
評価は研修終了後にEPOCを利用して研修指導責任者が行う。
研修実施責任者
小児科研修実施責任者兼研修指導責任者【指導医】
師井 敏裕